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復元された「仏法(十界)双六」で遊ぶ子どもたち=2026年4月3日、京都市右京区、清水謙司撮影
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 京都美術工芸大の学生たちが、尼門跡寺院・曇華院門跡(どんけいんもんぜき)(京都市右京区)が所蔵する江戸時代の遊戯具を復元した。皇室ゆかりのお寺に伝わるみやびな「御所文化」に、いまの子どもたちも親しめる逸品に仕上げた。

 曇華院門跡は、室町時代の「尼五山」の一つに数えられる寺を起源とする臨済宗の尼寺だ。「竹御所」の名前でも知られていて、江戸時代の天皇の皇女らが代々の住持(住職)を務めてきた。

 遊戯具の復元は7人の学生が2025年度の授業の一環で取り組んだ。素材は、「仏法双六(すごろく)(十界双六)」と「絵合わせかるた」。同大の田中正流准教授らが曇華院門跡の寺宝調査で確認した。お寺に入った皇女たちが、楽しみながら教養を身につけるための遊戯具だ。

 仏法双六は仏教思想の世界観に親しむものだ。江戸時代には「道中双六」などとともに人気を集めた。学生たちは約90マスの画像データをもとに色調補正などをして、つくられた当時の色鮮やかな様子を再現した。

 原本のくずし字(古文)は現代語訳に。上がりを意味する「仏」やゲームオーバーをさす「永沈」を図解したルールブックも作成。木製のさいころや駒も新たにこしらえた。

 絵合わせかるたは、約200枚の実物を現地で記録撮影。図像が比較的はっきりしている100枚をデジタル上で修復し、色鮮やかで美しい花の絵柄をよみがえらせた。並べ方や遊び方を示すルールブックもつくった。同時代の「貝合わせ」の文化もヒントにしたという。

 お寺には源氏物語の世界が描かれた「貝あわせ」の貝も残る。

 学生たちは復元した完成品をお寺に奉納した。田中准教授は、「現代の子どもたちが実際に遊べるように、体験性を徹底的にデザインし直した点が大きな特徴」と説明する。

 お寺は普段非公開だが、特別公開などにあわせて活用を検討中だ。千種慈晶(じしょう)住職は、「尼門跡寺院や仏教に興味を持っていただければ」と期待を寄せている。

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